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「不動産鑑定士横須賀博作成の不動産鑑定評価書(以下、『横須賀鑑定』という。)によれば、不動産鑑定士横須賀博は、平成7年4月1日時点の継続支払賃料について、次のとおり鑑定評価を行ったことが認められる。〜
中略 〜
横須賀鑑定が採用した手法及び判断の過程について不合理ないし不充分なところは認められない。
本件サブリース事業は、被告が原告にこれを提案し、建物基本構想及び事業の策定、建物設計に対する助言及び協力、工事請負業者推薦等を行ったものの、原告が自己の判断で本件各建物を建築し、その資金を調達したものであって、原告の事業であることは明らかであり、本件各賃貸借契約には、いわゆる空室保証があるものの、いわゆる最低賃料保証や賃料自動改定の特約はなく、いわゆる賃料定率増額特約があったとも認められないのであるから、賃貸事業受託方式によるサブリースに類似する一面があるものの、基本的には転貸方式によるサブリースに当たると認めるのが相当である。横須賀鑑定は、鑑定に当たり、本件各賃貸借契約がこのような性格を有することを前提としており、被告各賃借部分のサブリースに係る継続支払賃料の鑑定として、相当なものと考えられる。
これに対し、原告は、横須賀鑑定は、サブリース事業においてマスターリース賃料はサブリース賃料(転貸賃料)を下回らなければならないとの基本的考え方を採っており、サブリース事業における賃貸借契約の本質を理解していないと非難するが、横須賀鑑定は、サブリース賃料は一般の賃料市場で決定される合理的な賃料額を超えることは原則としてあり得ないというものであるから、上記非難は当たらない。
また、原告は、横須賀鑑定においては、継続実質賃料が正常実質賃料より高額になる理由は存在しないとして差額配法を割愛して鑑定評価を行った誤りがあると非難するが、横須賀鑑定が差額配分法を採用しなかったのは、バブル経済の崩壊による経済環境の変化と地価及び市場賃料の下落時の賃料増額という2点を勘案すると、正常実質賃料と実際実質賃料との多額のマイナス差額を原告被告の双方に平等に帰属させて差額配分法による実質賃料を算出することは、経済価値を適正に表示したものとはいえず相当でないと判断したからであり、継続実質賃料が正常実質賃料より高額になる理由は存在しないとの考え方により採用しなかったのではないから、上記非難は当たらない。そして、差額配分法の性格、本件における上記の事情を考慮すると、横須賀鑑定が差額配分法による試算賃料を斟酌しなかったからといって、あながち不合理であるということはできない。」
以上
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